地方自治法改正に思う①
先日、地方自治法改正法案が参議院を通過し、成立しました。幾つか変更点はありますが、まず第89条について少し考えてみたいと思います。
今回、第89条については、次のように改正されました。
第八十九条 普通地方公共団体に、その議事機関として、当該普通地方公共団体の住民が選挙した議員をもつて組織される議会を置く。
② 普通地方公共団体の議会は、この法律の定めるところにより当該普通地方公共団体の重要な意思決定に関する事件を議決し、並びにこの法律に定める検査及び調査その他の権限を行使する。
③ 前項に規定する議会の権限の適切な行使に資するため、普通地方公共団体の議会の議員は、住民の負託を受け、誠実にその職務を行わなければならない。
今回は、第1項について考えてみます。従来の規定は「第八十九条 普通地方公共団体に議会を置く。」でしたから、「議事機関」ということと「住民が選挙した議員で組織される」という点を追加したということになります。なるほど、今までの半ば素っ気ないものより具体的になったとは思います。
ただし、憲法第93条には、次のような規定が既にあります。
第九十三条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
② 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
私のような法律のど素人は、この憲法の規定だけでも十分なんじゃないかと思ってしまうわけですが、「法律の定めるところにより」なんていう文言も入っているので、その「法律」できちんと定めたということになるんでしょうね。何となくその意図は分かるんですが、いまいち心にすとんと落ちていません。