地方議会の解散
国政のほうでは、解散がどうのこうのと、また嫌な話が出ていますね。ギリシャでは、サケラロプル大統領が議会を解散しました。さて、ここで問題です。地方議会は解散できるのでしょうか。
報道なんかでたまに見聞きするのは、首長と議会が対立してしまって、議会のほうが首長の不信任案を可決したと。首長は、自分が辞職するか議会を解散するかの二択を迫られるわけで、そこで議会を解散というパターンですね。でも、これは言わば受け身的な議会の解散です。
そうじゃなくて、議会自らが「解散します」といって解散することができるのでしょうか。地方自治法や会議規則を見ても、それらしい条文はありませんね。ということは、衆議院でよくやっている「解散! 万歳!」というようなことはやれないのかということです。
答えは、「できる」ですね。「地方公共団体の議会の解散に関する特例法」というものがあって、自ら解散することができるようになっています。全2条という短い法律なので、全文を記しておきます。
(この法律の趣旨)
第1条 この法律は、地方公共団体の議会の解散の請求に関する世論の動向にかんがみ、当該議会が自らすすんでその解散による選挙によつてあらたに当該地方公共団体の住民の意思をきく方途を講ずるため、地方公共団体の議会の解散について、地方自治法(昭和22年法律第67号)の特例を定めるものとする。
(議会の解散)
第2条 地方公共団体の議会は、当該議会の解散の議決をすることができる。
2 前項の規定による解散の議決については、議員数の4分の3以上の者が出席し、その5分の4以上の者の同意がなければならない。
3 第1項の議決があつたときは、当該地方公共団体の議会は、その時において解散するものとする。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 地方公共団体の議会の議決による解散に関する制度については、この法律の施行の日から起算して1年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
第1条にある「解散の請求に関する世論の動向にかんがみ」というのが大事なところでしょうね。衆議院の場合は「自分たちの都合で」としか私には思えませんが、実際に解散というのは議会として好ましい状況ではないはずなので、全力で避けていただきたいとは思いますが、最悪こういう手もあるということです。