静岡県議会で知事不信任案を否決
静岡県議会は、2023年7月12日(正確には13日未明)、川勝平太知事に対する不信任決議案を、賛成50、反対18で否決したとのことです。夜中まで紛糾したようで、お疲れさまです。
川勝知事は、御殿場市を「コシヒカリしかない」と揶揄したことで県議会から辞職勧告決議を受け、知事は給与など約440万円を返上するとしていました。ところが、それを返上していないことが今月判明して、知事が虚偽の説明を議会で行ったとして不信任決議案が提出されました。
決議案を提出するまでには、いろいろ議論があったようで、報道によると提出されたのは午後10時半頃で、賛成・反対それぞれの討論があって、採決は結局、翌日13日の未明になったようです。12日までの予定だった会期も1日延長されましたが、知事に対する不信任案の提出は50年ぶりとのことです。
まあ、知事選挙の時点から今までいろいろなことが積み重なっているんだろうと推測しますので、その辺はさておくとして、ちょっと不信任決議についておさらいしておきたいと思います。
首長に対する不信任案は、出すほうにも覚悟が要ります。今回は否決されましたが、もし可決されると、首長は辞職を迫られると同時に、議会を解散する権利を持つことになります。この規定は地方自治法第178条によるものです。
もう少し具体的に言うと、不信任の議決を受けた首長は、その通知を受けた日から10日以内に議会を解散するか、自分が辞職するかを決めなくてはなりません。10日以内に議会を解散しない場合は、自動的に首長はその職を失います。この採決では、議員数の3分の2以上が出席し、その4分の3以上の賛成で可決されます。
議会を解散して、選挙で新しく選ばれた議会で再び首長の不信任案が可決されたときは、首長は議会を解散することはできず、その通知を受けた日に失職します。この場合は、議員数の3分の2以上が出席し、その過半数の賛成で可決されます。
今回の静岡県議会の例では1票差で否決されたということですが、まだまだ何かと尾を引きそうな感じですね。こういう突発的なことが起こると議会事務局は大変です。議事進行のシナリオはやはり事務局がつくらないといけません。私もかつて、夜中まで議会棟の中を走り回った経験がありますが、皆様、夜中まで本当にお疲れさまでした。
県民生活に直結する大事な議案の審議で深夜まで激論が交わされるのなら疲れもさほど感じませんが、こういう詰まらない内容では疲労倍増という感じになりますね。