委員会の「継続審査」が「不採択」に
2023年7月13日の東京新聞に、「アキバ再開発で千代田区議会 請願「継続審議」が一転 不採択に 25日の都計審で議論へ」という記事が載りました。
秋葉原の電気街に170mの超高層ビルを建てる再発計画について、計画の修正や説明を求めた区民らの請願が、常任委員会では継続審査となったのに、それが本会議で覆されたわけです。
請願の採決については、11日の本会議で行われました。請願の付託を受けていた環境まちづくり常任委員会の委員長から「継続審査」との報告がなされましたが、本会議ではその継続審査とすることを認めませんでした。
継続審査というのは、委員会が「引き続いて審査したい」と言っているわけです。採択・不採択という結論を報告しているわけではありません。委員会ではまだ採決が行われておらず、委員会としての最終的な意見がまだ出ていない状況です。そこで「もう少し議論をしたい」と申し出るのが「継続審査」というものです。
この場合、委員会の意向を無視して本会議で決定してしまうことは問題があるので、普通はもう一度、当該の委員会に差し戻されます。そのときは「〇〇までに結論を出せ」と期限を切られることもあります。今回の千代田区の場合、まだ録画配信はされていないようなので実際にどういう議事進行だったのかは分かりませんが、その日に委員会が再度開かれ、委員会の結論として不採択と決し、それが本会議で報告され、そのまま不採択と決定されたという流れのようです。
委員会としては、継続審査が認められなかったので、白黒つけるしかなかったのでしょう。本当はもっと審議をしたかったのに、それをさせてもらえなかったわけですね。議会によって事情は様々でしょうが、一般的には、「委員長の顔を潰された」という話になりますし、委員会の存在意義の話にもなってきます。
もちろん、委員会と本会議の結論が違うことは別にいいのですが、まだ結論を出していない、もっと慎重に審議をしたいという委員会からの申出が却下されたわけです。委員会がまともに審議せず、結論を出さないということならやむを得ませんが、そうではなさそうなので、ちょっと気の毒な気がしますね。
縦覧の問題がどうこうとか、都市計画審議会の日程の問題などもあったのかもしれませんが、議会での審議はそれとは別物ですからね。
なお、千代田区は人口約6万8000人、議員定数は25人、常任委員会は、企画総務委員会、文教福祉委員会、環境まちづくり委員会の3つ、特別委員会は、デジタル・トランスフォーメーション特別委員会、公共施設調査・整備特別委員会、文化継承・コミュニティ活性化特別委員会の3つ、そして議会運営委員会という構成です。ここの本会議場は読会制の雰囲気のある珍しい配置になっていますね。