議会はこれから何を話し合うのか?

早稲田大学マニフェスト研究所の議会改革調査部会から、2023年6月23日に「議会改革度調査2021」の結果が公表されましたので、各項目について見ていきたいと思います。

データは、まず「単純集計①」の「情報共有、住民参画」の分野からです。

「住民は、会議でこれから何を話し合おうとしているか容易に知ることができますか?」という設問に対して、議会ホームページやSNSでの事前報知が、本会議では約59%ですが、常任委員会や特別委員会では約28%といった状況です。

本会議はもちろん、常任・特別委員会でも、分野によっては興味がおありの方もいらっゃるでしょうから、もう少し報知されてもいいのかなと思いますね。

映画やコンサートに行こうと誘われて、「内容は?」と聞くと「行ってからのお楽しみ」というのは、一般社会ではレアケースかなと思いますが、議会の傍聴ではそんな感じになっているところが多いのでしょうか。単に会議の日程だけを報知している数を含めるともっと率は上がってきますが、テーマは何か、どんな議案が協議されるのかなどの情報は、本会議以外はお寒い限りです。

もともと委員会は制限公開制ですから、議会基本条例などで公開を打ち出しているところ以外では、そういう情報を出したいという積極的な考え方がないのかもしれませんね。本会議でも、規模の大きい議会などでは議案番号だけで議事が進んでいくことが多いですが、そういうデータを持っていない傍聴者にはちんぷんかんぷんな話になってしまうんですけどね。

本会議については、公開はある程度されているものの、公開されるのが遅くという問題もあります。大体、議会の日程も直前にならないと公表しないところも多いですしね。

国会でもぎりぎりの発言通告で職員が夜中まで大変……という話は聞きます。議案の提出時期とか、首長の所信表明を聞いてからとか、いろいろな事情もあるのでしょうが、デジタル化が進んで、議案の送付が早くなって発言通告も早くもらえるようになって、なるべく早く公開されるようになるといいんですが。