「会議録」は最も重要な会議の記録
前回、本会議は当該地方自治体の中で行われる会議の中で最も重要な会議だと言いました。ということは、その公式記録となる会議録も最も重要な記録であると言えます。したがって、市議会標準会議規則の「会議録の保存年限は、永年とする。」という参考規定をまつまでもなく、会議録は永久保存される性格のものになります。これは、他の委員会などの記録とは一線を画する重要なポイントだと思います。
その重要な会議をどう記録するかという手法については前に書いていますので、そちらに譲るとして、では、その会議録には何をどう記録するのかということです。適当に必要そうなことを載せればいいということではなくて、会議録に記載する事項については会議規則で以下のとおり定められています。
第124条 会議録に記載する事項は、次のとおりとする。
一 開会及び閉会に関する事項並びにその年月日時
二 開議、散会、延会、中止及び休憩の日時
三 出席及び欠席議員の氏名
四 職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名
五 説明のため出席した者の職氏名
六 議事日程
七 議長の諸報告
八 議員の異動並びに議席の指定及び変更
九 委員会報告書及び少数意見報告書
十 会議に付した事件
十一 議案の提出、撤回及び訂正に関する事項
十二 選挙の経過
十三 議事の経過
十四 記名投票における賛否の氏名
十五 その他議長又は議会において必要と認めた事
以上は都道府県の標準会議規則ですが、市も町村も同じ形になっています。1つ1つの項目についてここでは述べませんが、かなりざっくりとした書き方になっていますね。
ここで、1つ疑問が出てくるのではないでしょうか。記録には要点記録と逐語記録と、大きく分けてこの2つがありますが、どちらで作るのかということです。
見ていただいて分かるとおり、それについては特に何も書かれてはいません。だから、ここだけを見るとどちらでもいいということで、実際、要点記録で作成されているところもあると思います。ただ、私はもうちょっと広く見てみると、やはり逐語記録が求められているのではないかと思っています。
もちろん、逐語で会議録をつくるということは、逐語で記録できる方法がなければなりません。国会では明治時代の第1回帝国会議から速記者が入って逐語記録を作成していますが、地方議会ではどうでしょう。これは、結論から言ってしまうと、速記者を確保できたところは逐語、できなかったところは要点にならざるを得なかったのだと思います。
まあ、最初はそういう形でスタートしたのだろうと思いますが、やがて、録音という技術が登場してきます。
以下、次回です。
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