議会のコロナ対策
先日御紹介した早稲田大学マニフェスト研究会の調査で、今年3月議会での新型コロナウイルス対策への取組を調査した結果が発表されていたので、少し御紹介しておきます。
回答があった項目としては、以下のとおりです。
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⼿指・会議室の消毒
マスクの着⽤
傍聴の⾃粛・制限・中⽌
⼀般質問・質疑の中⽌・取下げ
会期の縮⼩・延⻑
会議室の換気
ネット視聴への誘導
当局説明員の出席最⼩化
審議⽇数の短縮
座席間隔の拡幅
対策連絡会議の議会設置
別室(モニター室など)視聴への誘導
⼀般質問・質疑の持ち時間短縮
当局説明の省略・短縮
広い会議室への移動
意⾒書提案・可決
当局説明員の途中⼊退場の許可
⼀般質問から⽂書質問へ切替
傍聴者の⽒名等記⼊義務
飲⽔の持み込み許可
空間除菌剤の設置
検温の実施
視察受⼊れの⾃粛
対応⽅針の議会策定
(早稲田大学マニフェスト研究所「緊急発表「地方議会は、新型コロナにどう対応したか?」その1」より)
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上の項目ほど実施率は高くて、上位2位は50%を超えています。
さて、いろいろな工夫が見てとれますが、第4位の「一般質問・質疑の中止・取下げ」が約20%というのはちょっと気になりますね。他にも、「会期の縮小・延長」、「審議日数の短縮」、「一般質問・質疑の持ち時間短縮」、「一般質問から文書質問へ切替」という項目があって、全て同じ方向を向いた対策、つまり議会活動を収縮させる取組になります。
まあ、いろんな事情があって、それぞれ真剣に考えて導き出された結果だと思うので、それはそれでいいのですが、どちらかというと議会側にいた人間にとってはちょっと気に入りません。コロナ対策でよく「不要不急の集会は避けましょう」ということが言われますが、議会の質疑・質問というのは「不要不急」なのか?ということですね。
確かに、大混乱している執行部の現場には一定の配慮も必要でしょう。学芸会のような形だけのもの、あるいは講演会のような自説を延々と述べる形のものは、こんな事態でなくても御遠慮願いたいですが、こんなときだからこそ質しておかねばならないこと、確認して情報共有しておかねばならないこともあるはずです。今回、質疑・質問を取りやめたということは、その議会での質疑・質問が「不要不急」のものだと自ら認めているようなものだとも思うのですが……。
蛇足ですが、「検温の実施」は、あちこちの公共施設、商業施設などでも実施されていたりしますが、どうもいまいちその必要性が私にはよく分かりません。熱などの症状がない人が感染源になることが一番の問題で、既に熱のある人なんていうのは、常識のある人なら自重して出てこないと思うのですが。(まあ、そうでない人もいるようですけど)