オンライン委員会

 新型コロナウイルス対策の1つとして総務省が認めたオンライン委員会ですが、早速、5月14日に大阪市会で会議規則が改正され、いわゆるオンライン委員会が可能となりました。取りあえずはコロナ限定ですが、この例に限らず、今回のコロナ禍は生活や文化の面で大きな変化をもたらす出来事ですから、今後は議会のICT化とも絡んで、こういった取組が進む可能性もあると思います。ということで、少し内容を見てみたいと思います。
 まず、大阪市会の会議規則改正案は、以下のとおりです。

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大阪市会会議規則の一部を改正する規則

大阪市会会議規則(昭和31年9月30日市会議決)の一部を次のように改正する。
第41条の次に次の1条を加える。

(委員会開催の特例)
第41条の2 新型コロナウイルス感染症(新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令(令和2年政令第11号)第1条に規定する新型コロナウイルス感染症をいう。)のまん延防止措置の観点等から委員会の開催場所への参集が困難と判断される実情がある場合には、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法を活用した委員会(以下「オンラインを活用した委員会」という。)を開催することができる。
2 前項の場合において、委員は、オンラインを活用した委員会にオンラインにより参加を希望するときは、委員長に申請し、委員長の許可を得なければならない。
3 オンラインを活用した委員会の開催方法その他必要な事項は、議長が別に定める。

第42条に次の1項を加える。
2 前条第2項の規定による委員長の許可を得て委員会に参加した委員は、前項の出席委員とする。

第43条第2項中「前項」を「前2項」に改め、同項を同条第3項とし、同条中第1項の次に次の1項を加える。
2 オンラインを活用した委員会における表決の方法その他必要な事項は、議長が別に定める。

附 則
この規則は、公布の日から施行する。

説 明
新型コロナウイルス感染症のまん延防止措置の観点等から委員会の開催場所への参集が困難と判断される実情がある場合において、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法を活用した委員会を開催することに関し必要な事項を定めるため、会議規則の一部を改正する必要があるので、この案を提出する。

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 コロナウイルス感染症を前提とした対応なので、特に異論はありませんが、気になるのは第43条の2の「オンラインを活用した委員会における表決の方法その他必要な事項は、議長が別に定める。」というところですね。どういう方法なのかが不明なので何とも言えませんが、いろいろなケースを考えると結構細かなことまで定めておかねばならないのかなと思ったりもします。
 もう1つ、42条2項で「出席委員」として扱う旨が規定されています。これは今のところ委員会のみで、本会議ではこういう考え方は総務省のほうでは認めていないということですが、出席者の定義というのはいろいろ関係する法令も多いので、なかなか取り扱いが難しいのじゃないかとも思います。オンラインでつながっていればどこにいてもいいのか、途中で通信に遅延等のトラブルがあったときはどうするのか、本人確認のための画面の映し方はどういうふうにするのかなど、考え出すといろいろありそうですね。

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