選良


衆議院議員と参議院議員の御夫婦が逮捕されました。「またか」と思われる方も多いのではないでしょうか。私もその一人で、一体こんなことを何回繰り返すんだろうと、いいかげん嫌になります。政治と金の問題は、もうずっと昔からなくならず、怒りを通り越して、悲しくさえなってきます。

ところで、「選良」という言葉です。御存じのとおり、「選ばれた良き人」ということで、代議士のことを指す言葉です。私の好きな「新明解国語辞典」によると「選出された、りっぱな人の意」とありますが、ただし、そこには「理想像を述べたもので、現実は異なる」という強烈な解説がつけられています。

「新解さん」が独特な辞典であることは有名ですが、確かにそう言いたくなる気持ちは理解できます。もちろん、中には素晴らしい人もいるのでしょうが、残念ながら、ニュースによく登場するのは、不祥事やスキャンダルの類ばかりです。「新解さん」のこの解説がなくなる日はいつ来るのだろうと思いますが、なかなか難しいのでしょうね。

この言葉も、結構、間違って使われることが多いと思います。本来、選良とは代議士、つまり衆議院議員のことを指すわけですが、その辺が曖昧になって、参議院議員や地方議員のことにも使われる例があります。「先週、上京して参議院の○○代議士と話をしてまいりました」というような発言もあるかと思いますが、会議録では、この手の勘違い・ミスならば、できれば正しい形、例えば「○○議員」に直すなどの処理をしたいところです。

ただし、「地元選出の○○参議院議員も、選良として素晴らしい仕事をされています」といった形で誤用されると、ちょっと処理は難しくなってきますね。まあ、戦前と違って現在は参議院議員も選挙で選ばれているわけですから、「代議士」の仲間に入れて「選良」としてもいいのではないかと思ったりもしますが、そうすると地方議員も選挙で選ばれているのは同じになってきますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です