東浦町議会で2議員に辞職勧告を決議
東浦町議会(愛知県)で、2人の議員に対する辞職勧告決議が可決されました。
辞職勧告決議は結構ある話ですが、2人同時というのは珍しい感じがします。1つの決議で2人まとめてやったのか、1人ずつ別々にやったのか、データが見つからないので不明ですが、「在任中に不貞な関係になり町議会への信用を損ねた」という理由とともに、ちょっと気になる話題ですね。
ところで、議員がその身分を失う理由としては、①本人の死亡、②本人からの辞職申出、③他の選挙へ立候補したことによる自動失職、④リコールの成立、⑤有罪刑の確定による公民権停止、といったところかと思いますが、お気づきのとおり、これはどれも議会がどうこうできる話ではありません。
議員にスキャンダルが起こったとき、住民としては「議会は何をやっているのか。早く辞めさせろ」と言いたくなりますが、実は、議会が議員の進退についてどうこうできることは余りありません。
議会が議員の身分を剥奪する唯一の道は懲罰による「除名」ですが、標準会議規則では「事態発生から3日以内」という縛りがあるし、多くの民意を得て選ばれた人を議会の少人数だけで葬り去っていいのかという問題もあって、よほどのことがないとやれない処分になってきます。
となると、あとは決議ぐらいしか手がありませんので、いきおい「辞職勧告決議」という形になるわけです。「●●議員の即時辞職を求める決議」とか、決議の名前は何でもいいんですが、いずれにしても法的な強制力はありませんので、本人が辞めないと言えばそれまでです。だからといって、「早くやめさせろ」と議会事務局に文句を言っても、議会としてできることはほとんどないというのが実態だと思います。