きょうじ


今日の言葉は「きょうじ」です。漢字では、「矜持」とか「矜恃」と書きますね。昔から「キョウ」という音が何となく好きなのか、私は何故か、この言葉の持つ不思議な響きが好きなんですね。

意味を簡単に言うと「プライド」ということになります。手元の「新明解」でも「自分自身をエリートだと、積極的に思う気持」とあります。それはそれで間違いないんですが、私は何かちょっと違うニュアンスがこの言葉から感じ取れて仕方がないんですね。

「矜」は「誇る」、そして「恃」は「自負する」という意味を持ちます。「持」は特に説明はいいですね。「誇りを持って、それを自負する」ということでプライドを持つというような意味になるのだろうとは思います。

ただ、「矜」には、「厳か」、「謹む」、「尊ぶ」という意味もあります。だとすれば、「矜恃」という言葉は、単に「自負する」という意味だけではなく、こういったもっと奥の深い意味をベースにした「プライド」なのではないでしょうか。それが、私が「矜恃」という言葉から感じる何とも言えぬ感覚なのではないかと、勝手な解釈をしています。

「〇〇としての矜恃を持て」というような言い方をよくしますが、これを単に「プライドを持て」と理解してしまうと、何とも薄っぺらな感じがしませんか。例えば、「プライド」は「あいつは変なプライドを持ちやがって」などとマイナスのイメージで使われることもありますよね。

しかし、「矜恃」と言う限り、そこには絶対的にプラスのイメージしかないのではないかと私は思います。プライドはプライドでも、謙虚で謹みがあり、どことなく凛とした雰囲気も漂う、そして、どんなことがあっても人として恥ずかしい行為はしない、そんなプライドではないでしょうか。

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