都道府県議会制度研究会報告書(12)
提言の12は、「住民の関心と都道府県行政の課題を結び付ける等により、議会として住民とのつながりを構築する」です。
「議会は何をしているかよく分からない」などとよく言われますから、住民とのつながりを強くすることは大切です。そのために頭をひねりましょうということですね。
具体例として、住民との話し合いの場を設ける、地方自治法第100条の2の調査では(学識経験者だけではなく)一般の住民も含めて活用するといったことが求められています。
地方自治法第100条の2とは「普通地方公共団体の議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のために必要な専門的事項に係る調査を学識経験を有する者等にさせることができる。」というもので、この「……有する者等」の「等」を活用しましょうということですね。
住民の声を聴く方策として、まず頭に浮かぶのは「議会報告会」の開催ですが、都道府県の規模になるとコスパの面ではいまいちでしょう。パブコメなども、普通にやったのではあまり意見も集まりませんので、提言ではICTの活用が求められています。
議会からは、ネットや圏域テレビでの中継や広報紙、SNSなどでの情報発信など、さまざまな取組もされていますが、議会を離れて改めて思うことは、中継にしろSNSにしろ、興味があって見に行く人としかつながらないということです。よほど興味のある事柄がある人以外、あまり見にいきたいとも思わないのではないかと思います。
その点、広報紙は何もしなくても届く、いわゆるプッシュ型としては有効なのですが、残念ながら、しょっちゅう届くわけでもないし、紙面の量にも内容にも制約があります。居酒屋情報満載のフリーペーパーのように、もっと頻繁にいろんな情報が掲載されているといいのですが、編集・発行する側としては大変過ぎますね。いっそのこと、そういうことを専門にしているところに委託するというのは無理なのでしょうか?
結局、毎日多くの人が見聞きすることが多いものにどれだけ情報を送れるかということで、例えば、新聞の地域欄に毎日必ず議会の情報が載るというようなことになればいいとも思いますが、それも、言うは易し、行うは難しですね。
そういえば、スマホには毎日いろんな公告がこれでもかというぐらいプッシュ型で届きますが、ああいったことは難しいんでしょうかね。