都道府県議会制度研究会報告書(13)
提言の13は「議会・議員に対する住民への理解を得るため、教育の場等を通し、議会・議員の役割等を説明する」です。
要は、中学生、高校生などに議会・議員の役割や重要性をしっかり伝えましょうということですね。よく実施されている「〇学生議会」などが代表的な例になるのでしょうか。
確かに、議会・議員は重要な存在なので、未来ある若者にはしっかり理解してほしいし、そのための活動が大切なことにも異論はありません。
ただ、そうなってくると、問題は議員の質の問題でしょう。もちろん、真面目に頭の下がる姿勢で活動を続けておられる議員さんも多いのですが、どうしてもマスコミなどで取り上げられるのはスキャンダルの類。特に、国会のほうではどうしようもないような例が連続していますし、国のトップはトップで、余り感心できないことが多かったりします。かといって、地方議会はみんな素晴らしい聖人君子ばかりかというと、信じられないような事犯で逮捕されたりする人もいて、なかなか現実は厳しいですね。
そんな状況では、残念ながら、中学生、高校生に胸を張って説明できませんよね。「半沢直樹」で政権の幹事長が悪徳人間の見本のように描かれましたが、似たりよったりのことが現実の世界でもあるのじゃないかと思っている若者も多いのじゃないでしょうか。
真面目に1つ1つの施策について愚直に正直に議論を重ねて、少しでも賛同が得られる形に練り上げていく、そこでは野党、与党の党利党略とはかけ離れた、まさに住民代表としての議員が真剣勝負をする、そんな姿を見せなくてはなりません。「〇〇〇が出してきたものは内容の如何に関わらず反対して潰せ」というようなことでは、議会はまさに「死に体」となってしまうでしょう。「政治は最高の道徳」という言葉を、改めて肝に銘じていただきたいものです。
まあ、平たく言えば、まずは政治に携わる者がルールをしっかり守って、若者に見本を見せましょうということです。赤信号を平気で渡る姿を見せておきながら、学生たちに「信号を守れ」と言っても説得力ゼロですからね。