居眠りと恫喝


安芸高田市議会(広島県)で、新人市長の発言中に議員が居眠りをしていたことが話題になっています。本会議の場でのことなので、笑って済まされないことですし、議長のコメントも「えっ?」という感じではあるのですが、詳細な経緯や中身については報道に譲るとして、私が特にひっかかったのは「全員協議会に市長を呼び出して注意した」ということです。

新聞報道だけの情報なのですが、非公開の全員協議会(議員全員が出席する会議の場)に市長が呼ばれ、「議会を騒がせるな。余り騒ぐと敵をつくることになる」というような注意(これを「恫喝」と表現されています)されたということです。

まあ、百歩譲って、生身の人間なので、どうしても睡魔に勝てないときもあるかもしれませんが、それについて注意されたら、普通は「ごめん。次から気をつける」でしょうね。それを、仲間を集めて「ちょっと顔かせや」と言って呼び出して……というのはどうも筋が悪い。「半沢直樹」に登場したインチキ土下座の幹事長みたいなのも駄目ですが、悪いことをしたら素直に謝りましょうよ。まして、議会を代表する議長が「寝ていたかどうわからない」なんて言うと火に油になりませんか。

まあ、その辺はさておき、なぜ「全員協議会」なのかというのがいまいち解せません。議会の全員が「居眠りは正しい」とか「あれは目を閉じて鼻唄を歌いながら聞いていたんだ」とでも言うのでしょうか。一部の長老議員がというのならまだしも、議員全員が、しかも全員協議会という正式の場でというのが理解できません。それも「非公開」というのですから、ほう……という感じですね。15名の議員全員が「市長は叱られて当然」とお思いだったのでしょうか。

安芸高田市議会では、議会基本条例を制定しています。その第15条には「議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会及び全員協議会を原則公開しなければならない。」と明記されています。他にも、議員のあるべき姿とか、いろいろ立派なことが書かれていますが、仮に全員協議会を非公開としたのなら、その理由は説明されてしかるべきでしょう。まあ、実際の状況は何となく想像はつきますが……。

「議場は戦場だ」と、昔の議員はよくおっしゃいましたが、戦場のど真ん中でいびきをかいて寝ていたら、すぐ討ち取られてしまいますよね。そういう意味では度胸のある方と言えるのかも?

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