都道府県議会制度研究会報告書(16)


提言の16は「地方議会議員が厚生年金制度に加入する」です。

甚だ乱暴な言い方でまとめると、知事や市長は常勤の公務員なので厚生年金(共済年金)、議員は勤務日時の定めがないので厚生年金じゃなくて国民年金というのが現状かと思いますが、議員の活動は日常的なものであり、所得税法上は給与所得として報酬を得ているのだから、厚生年金に入ってもよかろうということですね。

規模の小さな議会では、本当に報酬も低く、地元の名士で財産を持っているか、別にしっかり事業をして稼いでいる人しか議員になれないような感じになっています。退職金もありませんし、さらに年金も……ということで、こういう要求が出てくることは理解できます。

ただ、これについては、「議員は自営業者と同じように国民年金の対象だ。事業主に雇われておらず、厚生年金を適用するのは無理がある。不十分だというなら、国民年金基金や確定拠出年金などに入ればよい。(日経新聞社説)」というような否定的な意見もあります。議員の後継者不足が問題となっているので年金の問題も大切だとは思いますが、そもそも議員とは……という基本的な議論がしっかりなされないと、なかなか理解してもらいにくいのかなとも思います。

そもそも、今の国民年金の額はどうなの?とも思いますし、「100年安心」ですっかりだまされた国民としては、まず国全体の年金の問題を何とかしてよという空気のほうが強いのではないかと思います。先行きがすっかり霧の中という感じの状況で、議員年金だけを取り上げてどうこう言っても、なかなか難しいでしょうね。

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