都道府県議会制度研究会報告書(21)


提言の21番目は「供託金の金額を見直す」です。議員になろうという人が減っているということで、その原因の1つに立候補のときに支払わなくてはならない「供託金」の高さがあるのではないかという考え方ですね。

もともと、供託金は「泡沫候補」と呼ばれる、「誰がどう考えても通りっこないよね」というような人の立候補を抑えようという目的で設定されているのだと思います。誰かが選挙に立候補すると、立候補した本人はもちろん、それを受けて選挙の準備をする側にも、人的・金銭的な負担が発生します。幾ら立候補は自由だとはいえ、ある程度の票を取れる人たちで勝負してもらわないとたまったもんじゃないということで、一定のお金を立候補のときに納めてもらって、規定の得票数に届かなかったときはそのお金を没収しますというシステムですね。

地方議会議員の場合、都道府県議会議員は60万円、政令市の市議会議員は50万円、一般の市議会・区議会議員は30万円、町村議会議員は15万円とされています。サラリーマンなどが会社勤めをしながら「試しに出てみるか」というには、50万円、60万円というのは、確かにプレッシャーのかかる金額ではありますね。供託金が没収となる程度の得票になると、選挙活動でかかった車やビラなどのお金も出してくれなくなるようですから、さらにつらいものとなります。

地域に縁もゆかりもないような者が売名行為的に立候補されるのは、確かにあまりいいことだとは思いません。が、世の中は変わってきています。昔は名誉職的な意味合いが強かった議員も、今はそうでもなくなりました。(一部にまだ勘違いしている人もいるようですが)デジタル庁もできてデジタル化が加速するというのであれば、選挙ももっとデジタル技術を駆使したものになっていかねばなりません。街宣車で名前を連呼するような、ああいう馬鹿げた選挙活動はもうそろそろ終わりにしたいものです。

ということで、デジタル化された選挙では、もっと気軽に立候補できる環境が望まれます。そういう意味では、供託金の制度というのも、一度根本的な部分から見直す必要もあると思います。衆議院議員だと供託金は300万円にもなりますが、そうなってくると、二世議員だとか、どこかのお金持ちだとか、そういう人しか立候補できませんよね。

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