会派と質問時間

会派絡みの問題でもう1つ問題だと思うのが、会派の所属人数に応じて質問時間(発言時間)を割り当てするというもの。国会でも少数会派は質問時間が5分しかないとか、情けないことをやっていますが、それを真似するような愚行をやっているところもあるやに聞きます。

議員に当選して得られるもので一番重要なものは何でしょう。地位? 名誉? 報酬? 違いますね。まあ、人それぞれいろんな考え方があっていいとは思いますが、私が考えるの一番重要なものは各種の重い権利が与えられることで、その中でも表決権(賛成・反対を表明できる)が第1位だと思います。この表決については、前々回で述べたように、変な党議拘束みたいなものがかからなければ、議員1人に1票ずつ平等に割り当てられていますから問題はありません。

問題だと思うのは、質疑や一般質問、討論など、議会で発言する機会について、あらかじめ1人当たり○分とか決めておいて、所属会派の人数で配分するというやり方です。1議会単位、1年単位など様々のようですが、ひどいところになると議員任期4年間の配分が決められて、例えば1人や2人といった弱小会派になると4年間に発言できるのはほんの数回しかないという有様です。

議員になって得られる権利の第1は表決権だと書きましたが、議会での発言権はそれに次ぐとても重要なものです。当然ですが、誰でも議場に立って発言できるわけではありません。あそこに立てるのは、選挙戦を勝ち抜いた議員だけです。しかも、全世界の人々が見ている目の前で、首長などに質疑や質問をすることができる、そして質問されたほうは誠実に答えなきゃいけない、それは議員でないとできない重要な役割であり、同時に権利でもあります。

それを会派の所属人数の比率ごときで配分するというのは全く理解できません。総枠の時間数をあらかじめ決めておいて、そこに無理やりはめていくやり方は、発言権の制限以外のなにものでもないと言えます。委員会で自由に発言すればいいじゃないかと言う人もいるでしょうが、委員会と本会議では発言の重みは全く違います。

一般質問なんて、議員の意見発表の場、ほとんどパフォーマンスだよと考えているなら、そういう時間制限もいいでしょう。しかし、あそこで、公衆の面前で、正式な手続を得て発言することの意味をもう一度しっかり考えてほしいものです。

会議規則で質疑や一般質問については明確に「できる」と規定されています。それを行うのは、ある意味、議員の責務でもあります。経験豊富な議員は「そんなもの水面下で全部話をつけるもんだ」とでも思っているのでしょうか、あまり重視されていない雰囲気が感じられることもあります。

効率的な議会運営ということも考えなきゃいけませんが、本当に必要な議論は、日程や時間の枠が優先するのではなく、十分な質疑・質問を行うことが優先されるべきでしょう。端的に言うと、質問したいという通告は全て許可をするということですね。当然、会派の人数の多寡は関係ありません。議員としての経験や得票数なども関係ありません。1人の議員としての権利を普通に使うだけです。それをああだこうだ理由をつけて制限してしまうということは、議会そのものの活動を矮小化してしまうことにつながりますし、そんなことをされると一般住民は白けてしまうわけですね。加えて、議場で居眠りなんてされた日にゃ、たまったもんじゃありません。

慣例でいろいろ制限をかけている議会もあるでしょうが、それは昭和の発想です。平成を経て今は令和と2時代過ぎてきているのですから、そろそろ頭を切り替えませんか。

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