杉並区議会でクーデター?

2023年5月19日の「ヤフーニュース」で「「クーデターが起きた」 女性議員半数以上の杉並区議会で「女性議長」選出」という記事が配信されました。

杉並区議会では、今春の選挙で女性議員の数が半数以上となったということはお聞きしていて、そこで女性議長が誕生しても別におかしくはないだろうと思っていたので、一瞬、記事の意味が分からなかったのですが、なるほど、予定されていたのは男性の議員で、蓋を開けたらびっくらぽんで、1票差で女性の井口議長が誕生してしまったということのようです。

記事によると、昨年6月の区長選挙で現職を187票差で破って当選した女性の岸本区長に対して、批判的な立場の議員が男性議員へ、賛成の立場の議員が女性議員へ、それぞれ投票したということのようです。男性議員が選ばれるものと思い込んでいた自民党・無所属杉並区議団は、よほど驚いたのでしょう、異例とも言える「本日の議長選挙について」という会派としての見解をTwitterで発信されています。

まあ、議長選挙などの議会人事でもめることはままあることですが、そんなことで取り残される住民はたまったものじゃありませんね。大体、混乱し始めると傍聴者のことなんてほったらかしになりますし、住民にとって重大な案件で紛糾したというのならまだしも、議会人事で混乱して会議が開けなかったなんていうことになると、本当にみっともないことだと思います。

そもそも選挙なので結果が予見できないのは世間の常識なんですが、「あらかじめ根回しをするから結果は投票前に分かっているんだ」というのが議会の常識だったのでしょう。それが今回は崩れてしまってさあ大変ということですね。でも、区長は新人女性が当選し、議会でも女性が半数以上となり、得票数の上位10人で見ると、女性が7人、男性が3人と、明らかに時代が「変わった」ような気もしますよね。

杉並区は、人口が約58万8000人、議員定数は48人で、会派が18個に分かれています。1人会派が10個もあるので、控室はどうなっているのだろうとか、議会運営委員会も大変なんじゃとか、いろいろ心配してしまいますね。常任委員会は、総務財政委員会、区民生活委員会、保健福祉委員会、都市環境委員会、文教委員会の5つ、特別委員会は、災害対策・防犯等特別委員会、道路交通対策特別委員会、文化芸術・スポーツ・まちのにぎわいに関する特別委員会、DX・議会改革に関する特別委員会の4つ、そして議会運営委員会という構成です。

議会人事でもめると、いわゆる「しこり」が心配ですが、どうか、区や区民のため、力を合わせて、女性がリードする議会として先進的な活動をお願いしたいと思います。