中野市議会の議長発言

4人の尊い命が失われた長野県の中野市で起こった立てこもり事件。事件については亡くなられた方々の御冥福をお祈りするしかありませんが、犯人の父親が中野市議会の議長だったということで、中野市議会に一躍スポットが当たってしまったのではないかと思います。

当プログは地方議会の探検隊ですから、事件のことはさておき、名前の挙がった中野市議会について、少し探検してみました。中野市議会の皆さんにとっては余計なことよと思われるかもしれませんが、こういう世の中です、何かのきっかけがあれば注目されてしまうということで、御容赦ください。

といっても、別にあらを探して突っ込もうということではありません。申し訳ありませんが、中野市自体、あまり存じ上げていなかったところなので、本当に興味だけでの訪問です。

中野市は人口約4万1000人、議員定数20人です。議員名簿には、「事件を受けまして、各議員の安全確保の観点から当市議会議員の住所及び電話番号については、当面の期間、非公開とさせていただきます」とありますが、私は前にも述べたとおり、事件に関係なく、そこまでの情報は公開しなくてもいいんじゃないかと思っています。

常任委員会は、総務文教委員会、民生環境委員会、経済建設委員会の3つ、そして議会運営委員会。特別委員会は設置されていません。

記録関係者としてはつい会議録を拝見したくなので少し見てみましたが、「へえ」と思ったのは議長さんの発言。「なければ」という意味で「ありませんければ」という表現をずっと使っていらっしゃいます。私の周りではあまり聞かない表現ですが、地域では普通に使う言葉なんでしょうね。長野県や長野市の会議録を見ても出てきませんので、ひょっとしたらかなり地域限定的なのかも?

「ないければ」という表現は近世江戸語では使うということで、その「ない」が「ありません」と丁寧に変化したものなのでしょうか? 「とんでもない」が「とんでもございません」とかに変化しているような感じなのかなと、勝手な推測をしていますが、面白いなと思いました。そういえば、時代の古い映画なんかで「なかりせば」というような言葉もよく出てきますが、そんな感じなんでしょうかね。

いずれにしても、仮に会議録作成の委託を受けたとき、「ありませんければ」と出ていたのを勝手に「ありませんなら」とか「なければ」とか、機械的に直しちゃいけないですね。気をつけないと。

事件に絡んで、中野市議会には直接関係のない変なクレームみたいなものも多くなっているのじゃないかと思います。そういう的外れなクレームへの対応は、職員の方には大変なストレスになるし、税金の無駄遣いにもなるので、絶対にやめてくださいね。