柏市議会でハラスメント防止条例を可決
千葉県の柏市議会で、2023年6月2日、「柏市議会ハラスメント防止条例」が可決されました。
柏市議会では、2022年12月23日に第1回の「ハラスメント防止のための条例制定に向けた検討会」が開かれ、以後、5月16日までの10回、条例案制定に向けての議論を重ねてこられました。
その中で、柏市職員と議員に対してアンケート調査を実施されていますが、「柏市市議会議員からハラスメントを受けたことがありますか」との問に対して、157人の職員と6人の議員が「ある」と答えています。また、「議員または職員が柏市議会議員からハラスメントを受けているのを見たことがありますか」との問に対して、316人の職員と18人の議員が「ある」と答えています。回答者数は、職員が1827人、議員が24人となっています。
ハラスメントの具体的な内容としては、「些細なミスを大声で叱責、必要以上に長時間の叱責、意に沿わない対応に恫喝(精神的な攻撃)」が最も多く、「彼氏または彼女がいるのかと聞かれる、早く結婚しろと言われる等により苦痛を感じる」が続きます。また、ハラスメントを受けたときの対応としては「誰にも相談しなかった」という回答が最も多くなりました。この結果を受けて、今回、条例が制定されたわけです。
条例案は6月定例会の初日に議員提出議案として提出され、趣旨説明、質疑の後、討論と委員会付託は省略して採決され、賛成24、反対5の賛成多数で可決・成立しました。
質疑は割と長い時間行われましたが、条例案の中身そのものへの質疑より、提出までのプロセスについてのものが多かったように思います。中には「そんなの議長に聞くか議会運営委員会でやってよ」という感じのものも結構あったと思いますが、2023年8月31日に現議員の任期が終了するので、ひょっとしたら多少急いだ面があった?のかもしれませんね。
そもそも「政治は最高の道徳」なので議員さんがそんなセクハラやパワハラなんてしないでしょうに……と言うのは現実離れし過ぎていますよね。質疑の中で「議員の居眠り」の話を指摘されていた議員もいましたが、今回の自治法改正にしろ、議会基本条例の制定にしろ、議員というのは、「はい、朝起きたら顔を洗って歯磨きしましょうね。はい、服を着替えて、御飯を食べて、ランドセル背負って……」と、そんな子供のようなことまで条例で示してあげなきゃできないのかと、ちょっと失望もしてしまう気分ですが、皆さんはどうでしょうか。
条例の中身については今現在アップされていないので何とも言えませんが、少し気になったのは質疑の内容です。本来、質疑では自己の意見は言えないと明確に会議規則に書かれていますが、今回は「私は反対だ」とか、意見をがんがんおっしゃっていたように思うのですが……。
柏市は、人口約43万人、議員定数は36人(現員35人)です。常任委員会は、総務市民委員会、健康福祉委員会、教育子供委員会、建設経済環境委員会の4つ、特別委員会は設置されていないようです。
前述のアンケートの詳細については下記にアップされていますので、ご覧ください。