高すぎる?議員報酬

京都府議会の新人議員さんが、初めてもらった議員報酬の額に驚いていることが話題になっています。確かに、一般人の感覚からすると高額と言えますね。

「京都府議会議員の議員報酬等に関する条例」では、議員は月額96万円、副議長は103万円、議長は112万円となっています。これにボーナスと政務活動費等が加わりますので、軽く2000万円は超えてきます。

ちなみに、議員定数が127人と一番多い東京都議会では、議員が102万円、副議長が114万7000円、議長が127万1000円となっています。大阪府議会も条例上は1人当たり93万円と高額ですが、「身を切る改革」として30%減としているので、月額65万1000円となっています。

一般的に、規模の大きな自治体、つまり議員定数の多い議会ほど報酬等が高く、逆に少ないほど低くなる傾向があります。その差はかなり大きくて、例えば町村議会議員の平均は月額20万円程度、政務活動費も1万円あるいはゼロという感じで、議員専業ではなかなかやっていけません。それが立候補を躊躇させる一つの要因にもなっていると言われます。

福島県の矢祭町のように日当制を導入しているところもありますが、そうなると年間報酬は100万円を切るので、よほどの権利収入があるか兼業をしている人でないと務まらないでしょう。国会議員や都道府県議会議員、市でも中核市以上ぐらいになるとかなり高額になってきますが、町村議会では全くそういうことはないので、「議員=高収入」と一括りにされては気の毒ですね。

議員の活動は議会が開かれている間だけではなくて、ほぼ365日、それも朝から夜遅くまでという人も多いと思います。月額96万円を30日で割ると1日大体3万2000円。朝9時から夜8時まで11時間仕事をし続けたとすると1時間当たり2900円。そう考えるとびっくりするほどの金額でもないのかなとは思います。

問題は、それだけ「仕事をしている」と住民の方に思ってもらえるかというところでしょうか。特に、議会議員としての活動と政治家としての議員個人の活動は結構曖昧ですから、誰かの葬式に来ていたとか、何かの会合で挨拶をしていたとか、そういうことばかりでは理解が得られません。また、たまに議会に出ていると思ったら議場で居眠りしている写真を撮られたなんていうことになると、それこそ「給料泥棒」と言われても仕方ありません。

ただ、退職金もないし、4年に一度の選挙があるし、住民からはとんでもない要求もあるし、議員という仕事も本当に大変なんですね。特に、報酬額の低い町村議会の議員さんは大変だと思います。議員とて人間、理想だけで霞を食べて生きていくわけにはいきませんから、ある程度しっかりした生活の基盤を築けるほどの報酬は必要でしょう。ただ、その適正な額が幾らなのかは私には分かりませんので、それぞれの議会で自らお決めいただくしかありません。

「先憂後楽」という言葉がありますが、真っ先に範を示すべき国会議員が今のような体たらくなので、なかなか力も入らないかと思いますが、より住民に近い地方議会の議員なので、あまり世間の感覚と乖離するのは得策じゃないと思います。