33年ぶりに区長提案の議案を否決

東京都の杉並区議会、女性議員が半数以上を占めるとか、議長選挙で一波乱あったりと、何かと話題を集めていますが、今度は区民生活委員会で33年ぶりに区長提案の議案を否決したとのことです。

2023年6月7日の東京新聞の報道によると、高齢者交流拠点など区立の3施設を廃止・機能移転する条例案が区民生活委員会で審査され、「区民に反対のある公共施設の廃止などを巡っては、岸本聡子区長が昨年の区長選で見直しを掲げて当選したが、他施設との兼ね合いから従来の計画を進める条例案を提出。区長に近い会派が反対し、区長は公約順守を迫られた形」とのことです。

区民生活委員会は定数9人、委員長には採決権がないので、残る委員8人で、賛成3、反対5となって否決されたとのことです。委員会での否決なので、本会議でどうなるかは分かりません。少数会派が多い議会ですので、それぞれどのような判断を下すのか注目されますね。本会議での採決は6月19日の予定とのことです。

話はそれますが、ここで一つ、採決のやり方についての注意を記しておきます。今回のように委員会で否決された議案を本会議で諮るときは、必ず原案について諮る方法でやらなきゃいけません。杉並区議会さんは議案については原案について諮る形でやられているので問題はありませんが、議会によっては、委員長報告で「否決した」との報告があって、本会議で「委員長報告のとおり決することについて賛成の方は起立願います」みたいな形でやっているところがあります。

議案に限らず、請願・陳情でも同じですが、「可(採択)とする者が過半数いるかどうか」の確認を行うのが採決なので、「否(不採択)とする者が過半数いるかどうか」というやり方は問題があります。あちこちの会議録を見ると間違ったやり方をしているところも結構多いのですが、問題のあるやり方なので気をつけていただきたいと思います。