長生村議会のゴタゴタ

公用車を運転する女性に暴行をしたとして傷害の罪で略式起訴され、罰金20万円を納付した千葉県の長生村議会の議長。副議長と共に辞職勧告決議を可決されていますが、2人とも議員続投の構えということで、ゴタゴタが続いているようです。

議長からは「実刑でなかったので」というような続投理由が述べられたとの報道もありますが、正副議長そろって辞職勧告決議を受けるというのはなかなか珍しいことだと思います。

さて、この辞職勧告決議、何か不祥事があるとよく出されますが、これがなかなか難しい。「決議」なので、意見書提出のような法的な裏付けがなく、あくまで事実行為でしかありません。もちろん、議会がそう決めたという事実はそれなりに重いのですが、長の不信任案のように辞職か解散か法的に迫られるというようなこともなく、辞職するかどうかはあくまで本人に委ねられることになります。

まあ、議会が「あなたの指揮の下では審議ができない」と言っているわけなので、普通は辞職するしかないんですが、開き直られてしまうと、議会としては手の打ちようがありません。会議規則に違反したということなら懲罰で除名という方法もありますが、議場の外の公用車の中での出来事となるとそれも不可能です。

議会としては他に手の打ちようがありませんから、住民にしたら「居座る議長も悪いが、それをどうもできない議会も情けない」という話になってしまうわけですね。そこで「いや、辞職勧告決議を行っています」ということは一応の言い訳にはなるのですが、議会で決定したことが「無視されたら終わり」というのは、やはり権威の失墜につながるわけで、識者の中には「辞職勧告決議はするな」とおっしゃる方もいます。

低レベルな話で議会が混乱すると、一番被害を受けるのは住民なので、一日も早く解決してもらいたいものです。

長生村は、人口約1万3000人、議員定数は16人、常任委員会などもあるはずですが、ホームページだけでは分かりませんでした。

なお、会議録を見ていて一つ思ったこと。閉会前に議長から「なお、会議録の作成に際し、会議規則第44条により、字句、数字等の整理については議長に一任されたく、御了承ください。」と発言されていますが、これはやはりおかしいと思います。町村議会の会議録では時々お目にかかるのですが、会議規則第44条(標準町村議会会議規則では第45条)の規定は、いわゆる整文についての規定ではありません。