岐南町長に辞職勧告決議案を可決

岐阜県岐南町の町長に対して、岐南町議会は2023年6月22日の本会議で辞職勧告決議案を可決しました。

町長は女性職員へのセクハラの疑いがあるとされていますが、町議会では「町長の行為はセクハラであることは明らか」として、辞職勧告決議案が賛成多数で可決されました。町長は現時点では辞職をしない意向で、第三者委員会の結論を待って進退を判断するとのことです。

第三者委員会の設置費用を含む補正予算は既に可決されたようですが、結論が出るのが来年2月の予定ということで、議会からは「スケジュールが長過ぎる」などの意見が出たようです。確かに、それまでの間どうするの?っていう感じにはなりますね。

ところで、6月18日の記事で辞職勧告決議の問題点を少し書きましたが、この町長への辞職勧告決議でも気をつけなきゃいけない点があります。

「長に対する辞職勧告決議は不信任に該当する」とする見解は、過去の行政実例や地裁判決などでも示されています。そして、その決議は、タイトルが「不信任案」となっていなくとも、また本文に「不信任」という文言がなくとも、実質的な内容が不信任に当たると長が判断でき、なおかつ不信任案議決の法的要件が満たされていれば、長は不信任案が可決されたと判断して、場合によっては議会を解散することもできるわけです。

不信任案議決の法的要件は、3分の2以上の議員が出席し、その4分の3以上の賛成で議決するということです。つまり、今回の辞職勧告決議がこの条件をクリアするほどの多数で可決されていたとすると、長はそれを不信任案の可決だと解釈することもできてしまうということです。議長や議員に対しての辞職勧告決議は単なる事実行為でしかありませんが、長に対して行うときは、その辺も気をつけておかないと厄介なことになりかねません。

岐南町は人口約2万6000人、議員定数は10人(女性議員2人)、常任委員会は、総務住民委員会、福祉土木委員会の2つ、特別委員会は議会広報特別委員会の1つ、そして議会運営委員会という構成です。