同姓同名の議員と知事が論戦

2023年6月23日の山陰中央デジタルで、鳥取県議会での珍しい事例が紹介されています。

4月の県議会議員選挙で初当選された平井伸治議員が6月定例会で初の一般質問を行ったということですが、御存じのとおり、鳥取県知事のお名前も全く同じ平井伸治なんですね。議員と知事が同姓同名というのは県政史上初ということですが、確かに珍しい事例だと思います。

鳥取県は、ご承知のとおり、都道府県では一番人口が少なくて、約54万人。面積も全国で7番目に小さいということです。議員定数は35人、常任委員会は、総務教育常任委員会、福祉生活病院常任委員会、農林水産商工常任委員会、地域づくり県土警察常任委員会の4つ、特別委員会は決算特別委員会、そして議会運営委員会という構成です。

なお、上の事例は議員と知事ですが、議員の中に同姓同名の議員がいる場合もあります。何かと紛らわしいことも多いでしょうが、特に気をつけなければいけないのは、議長や副議長などの「選挙」のときです。上の事例のように漢字まで全く同じだと、姓名を書いただけではどちらに投票したのかが分かりません。

一般の選挙なら、そういう投票も有効で、票は按分されることになりますが、議会の中で行われる選挙には、その規定は適用されませんので、誰に投票したかが判別できないということで無効となってしまいます。なので、いわゆる「他事記載」に引っかからない程度にそれぞれを区別できるような形で書くようにしないといけません。

これは、姓だけが同じ場合でも同様で、投票に姓しか書いていないと無効となります。同じ姓の候補者が2人以上いるときは必ず下の名前まで書くようにする、姓名とも同じ場合は、漢字で区別できるならその形で、上の例のように漢字でも区別できないときは、例えば住所とか議席番号などで判別できるようにしないといけません。

地方自治法第118条には、議会において行う選挙の規定がありますが、公職選挙法を準用するのは、46条第1項・4項(投票の記載事項及び投函)、47条(点字投票)、48条(代理投票)、68条第1項(無効投票)、95条(衆参比例代表議員以外の選挙における当選人)のみです。同一氏名の候補者等に対する投票の効力を定めている68条の2は含まれていません。