岩手県議会が保険証廃止見直しの意見書を可決
2023年7月7日、岩手県議会は、健康保険証の廃止とマイナンバーカードへの一体化について見直しを求める意見書を可決しました。
マイナンバーカードについてはいろいろな問題が出てきていますが、そもそも論はさておき、紙の保険証を廃止するというのは、私も「本当に大丈夫か?」と思っています。先日、交通系のカードがトラブルで使用できなくなりましたし、それ以外にも銀行などいろんなところでデジタル社会なのにデジタルが使えない事態はたびたび起こっています。
まあ、一時的にお金が下ろせないとか、そういうことなら何とかしのげるかもしれませんが、保険証が使えないというのは、なかなか大変なことじゃないでしょうか。お薬手帳の制度がそのとき残っているのかどうかは知りませんが、そういう薬の履歴はもちろん、保険を使う側としては不安はたくさんあります。
さらに、マイナンバーカードは更新しないと失効してしまうので、そういった問題も気になりますね。カード自体は10年間の有効期限ですが、20歳未満の方は5年の有効期限と、その辺も混乱しそう。さらに、電子証明書は5年で失効してしまうし、転居や結婚などで情報に変更があったときの手続で電子証明書のほうの手続もやっておかないと、例えば確定申告でマイナンバーカードを使ってオンラインでやろうと思ってもできなくなります。
ポイント付与でどんどん普及を促してきたのはいいですが、それに伴ういろんなシステムがまだきちんと検証し切れていないんだと思います。そんな状況で、命にかかわる保険証が使えないようなことになると、本当にシステムそのものが瓦解してしまうのではないかと心配しますね。
都道府県議会では初の意見書ということらしいですが、続くところも出てくると思います。国会議員や中央省庁の役人さんより現場に近い地方議会の声、ぜひしっかり聴き取っていただきたいものです。
ちなみに、岩手県は人口約116万人、議員定数は48人、常任委員会は、総務委員会、文教委員会、環境福祉委員会、商工建設委員会、農林水産委員会の5つ、特別委員会は、デジタル社会・DX推進調査特別委員会、地球温暖化・エネルギー対策調査特別委員会、教育・子ども政策調査特別委員会、新産業創出・働き方改革調査特別委員会、東日本大震災津波復興特別委員会、新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会の6つ、そして議会運営委員会という構成です。特別委員会が多いように思いますが、同じ議員が重複して幾つかの特別委員会に所属されていますね。
会派構成を見ると、立憲民主党・国民民主党などで構成する「希望いわて」が最大会派で、日本共産党、社会民主党、無所属等を入れて過半数を占めています。いわゆる国政与党の自由民主党と公明党は合計しても14と3分の1にも届きません。報道では、議長を除く44人(定数は48ですが3人欠員で現員は45人、うち議長は採決権がない)で、希望いわて、いわて新政会、日本共産党、社会民主党の計26人が賛成、自由民主党、いわて県民クラブ、公明党の計18人が反対と伝えられています。
可決されたのはいいとして、私としては、やはりきれいに会派で割れてしまうというのがちょっと気に入らないですね。