リコール

リコールといっても、車などの製品不良での回収のことではありません。首長や議員の解職請求のことです。

先月でしたか、神奈川県真鶴町長が、選挙人名簿を不正に持ち出して選挙に利用していた問題で、町長に対するリコールの請求が行われたとの報道がありました。

原因となった不正については関知しませんが、リコールについて改めて整理しておきたいと思います。

地方議会でも、議員にスキャンダル的なことがあると「議員を辞めさせろ」という住民の声が出て、議会は辞職勧告を決議、しかし当事者本人は辞職しない。「議会は何をやっとるんだ」という批判の声が起こるのが一般的によくある話ですね。

議員が職を失うのは、①自ら辞職する、②他の選挙に立候補する、③犯罪を犯して実刑となった(罪により多少違いはあります)、④議会による除名、⑤リコール成立による失職、これぐらいでしょうか。

議会が関われるのは④だけですが、住民の票を得て当選した者を議会だけで辞めさせてしまうことになるので、慎重なケースが多いようです。中には無理筋でやってしまって訴訟になるといったケースもありますが。

ということで、最終的に「辞めさせる」となった場合、リコールしかありません。地方自治法第80条によるものです。

人口によって細かい違いはあるのですが、ざっくり言うと、選挙区の有権者の3分の1以上の者の署名を集めると、その議員の解職の請求ができるわけです。選挙区がないときは選挙権を有する者の総数の3分の1になります。

署名が有効と認められると、当該選挙区の選挙人の投票、つまり住民投票が行われます。そして、過半数の同意が得られれば、その議員は職を失います。

例えば、有権者が1000人の村なら、334人の署名を集めれば住民投票となり、501人の賛成があれば議員を辞めさせることができるわけですね。人口が増えると必要な署名の数も増えることになります。

議会の解散についても同じような規定があります。そちらは地方自治法第76条になります。首長の場合は第81条です。