東京都知事選挙でのおふざけを見て


びっくるするほどたくさんの方が立候補を届け出た東京都知事選挙。人口約1400万人、一般・特別合わせて予算は年間約16兆円。田舎で、首長選挙なんてほとんど無投票、選挙があってもせいぜい2人の対決ということに慣れている者としては、ちょっと想像できない事態になってしまっています。

セクシーなポスターがどうとか、ポスター枠を売り買いして掲示板ジャックとか、そういうことはさておき、改めて思ったことは、「こんな前時代的な選挙のやり方は何とかならないの?」ということです。デジタル時代、AIがどうのこうのと言われている中、しゃべりもしない、政策もほとんど書いていない、ただアップの顔写真メインのポスターをあちこちたくさん貼るやり方ですね。

東京都の場合、全部で1万4000か所ぐらいポスターの掲示場があるそうです。それだけで一体どれだけの税金が消えていっているのでしょうか。まあ、都会と田舎、業者によって単価は随分違うのだと思いますが、ド素人の感覚でも、支柱を立ててベニヤ板を張って、選挙が終わったらそれをまた撤去してということになれば、人件費で考えても1か所10万円ぐらいは要るんじゃないの?と思うんですが、仮にそうだとしたら、10万円×1万4000か所=140億円。これが国政選挙とか統一地方選挙なんてことになると、ちょっと気が遠くなるほどの金額になりそうです。

まあ、それだけのお金が業者さんに回るわけで、それはそれで経済効果云々ということになるのかもしれませんが、あんなポスターを見て誰に投票するかを決定する人なんてそう多くないだろうし、ポスターの写真を見て「よく分からんけど、この人でいいかな」なんて、そんなことでも困りますしねえ。

一方、今日流れてきたニュースでは、仕事で最低賃金ぐらいの単価でしかもらえていない人が月160時間働いたとして、生活保護を受けている人よりも月15万円ぐらい低い収入になると。アベノミクスや円安、消費税の戻りで輸出企業、大企業は空前の大もうけ、方や、零細フリーランスからはインボイスで、ありもしない「益税」をむしり取ると、なかなかあこぎなお代官様たちですよね。

雀の涙ほどの施しを国民にしてやろうと、珍しくそんなことを言い出したと思ったら、やり方は全て手間と時間と莫大なお金のかかる給付金方式。そして、それを行うシステム開発や事務を行う関連業者にまた大盤振る舞いして……と、そろそろいいかげんにしてもらえませんでしょうか。

高級料亭での会食だの、キックバックの裏金だの、仕事もせずにボーナスがっぽりだとか、そんなニュースばかり報道されますから、私なんかはすっかり洗脳されてしまっていますが、能登の瓦礫がそのままになっている風景なんかを見たりすると、もうちょっと税金の使い方は何とかならんのかと、つい血圧が上がってしまうわけです。せめて地方議会では頑張ってほしいのですが、これまたいろいろなところがありましてねえ。