東京都知事選挙と二元代表制

7日の投票日が目前に迫ってきた東京都知事選挙。私は選挙権がないので、完全に外野からの観戦ですが、改めて思うのは、都知事選挙も地方の選挙なんだよなということ。首都東京のど真ん中、そこで特別区として約16兆円の予算と聞くと、もう国と変わらないじゃんと、田舎の人間は思ってしまうわけですが、いえいえ、やはりそれは地方の首長選挙になるわけです。

二元代表制が地方政治制度の最大の特徴で、例えば議会基本条例なんかには必ずと言っていいほどこの「二元代表制」という言葉が書かれています。難しい制度論はさておき、ごくごく簡単に言ってしまうと、首長さんも議会の議員もみんな直接地域の住民が選挙で決めるんだよということですね。今回の都知事選挙も、住民つまり東京都民が直接選挙で選ぶことができるわけで、これは国政とは全く違う点です。

国政のトップ、つまり総理大臣は、国民が直接選ぶことはできませんね。国民が選んだ国会議員が、その国会議員の中から代表を選ぶわけです。ですから、どんなに嫌な人が総理に選ばれても、私たち有権者にはどうしようもありません。政党や派閥といった訳の分からない動きの中で決まってしまいます。国会議員の選挙で民意は反映されているとおっしゃる方もいるでしょうが、果たしてそうでしょうか?

まあ、国のことはさておき、今度の都知事選挙では、間違いなく都内の有権者が自分の意見・1票を使えるわけです。もちろん、東京都ぐらいになるとミニ国会的な雰囲気も強く、政党や会派といったものが大きな顔をして存在しているので、その点は甚だ面白くありませんが、それでも、直接選挙の票を入れられるということは、すごいことだと思いませんか。

「どうせ私の1票では……」と思っている方も多いでしょうが、東京都は無党派の方が多いところですから、地方以上にあなたの1票が生かせるのじゃないかと思っています。誰に投票するかはご自由ですが、棄権だけは避けていただきたいものです。投票率が下がって喜ぶのは、既存の政治団体や集票組織を持っているところだけ。それでは政治なんて未来永劫に変わりません。もちろん、二元代表制ですから、知事だけでどうこうできるものではありません。議会の存在も大きな意味を持つわけですが、4年に一度の知事選挙、ぜひ自分の目と耳で、誰が一番ふさわしいのか、その意志を明確にしてください。